さいたま市浦和区高砂1-16-12【地図へ】
JR浦和駅直結・アトレ浦和West Area4階
TEL: 048-883-4112
秋といえば、「スポーツの秋」、「芸術の秋」、そして「食欲の秋」。
行楽シーズンでもあり、秋の味覚を楽しみたいという方も多いのではないでしょうか。
しかし、美味しい食材の中にも、場合によっては皮膚炎を生じるものがいくつかあります。
今回は、この時期にみられることの多い、「ギンナン皮膚炎」「シイタケ皮膚炎」について解説します。
ギンナン皮膚炎とは、文字通りギンナンに触れることによって生じるかぶれ(接触皮膚炎)のことを指します。
かぶれの原因となるのは果肉中の成分であり、果肉に触れた部位に一致して、赤み(紅斑)や水ぶくれ(水疱)、かゆみを生じるほか、果肉がついた手で触れたところにも症状がみられることがあります。
ギンナンによるかぶれはアレルギー性であり、一度かぶれてしまうと、その後ギンナンに触れるたびに症状を繰り返すのが特徴です。
予防として、ギンナンを扱う(処理する)際には手袋を装着するなど、直接皮膚が触れないように注意しましょう。
ギンナン皮膚炎に対しては、他の接触皮膚炎と同様、ステロイドの外用薬(塗り薬)を中心とした治療を行います。
通常は手に症状が出ることが多いため、比較的強いランクの外用薬を用いますが、例えばその手で顔に触れてしまい、顔に症状が出ている場合などは、部位によって異なるランクの外用薬を使い分けることもあります。
また、強いかゆみを伴っている場合は、かゆみ軽減を目的に抗ヒスタミン薬の内服を併用します。
シイタケ皮膚炎は、ギンナン皮膚炎とは異なり、「触れる」のではなく、「食する」ことで生じる皮膚炎です。
とはいえ、当然シイタケを食べただけで全員が発症するわけではなく、加熱が不十分なシイタケが発症のリスクとなります。
シイタケにはレンチナンという物質が含まれており、この物質が体内で炎症を引き起こすことによって、非常に強いかゆみを伴った、線状の赤いふくらみ(線状皮膚炎)が全身に多発します。
ただし、一度シイタケ皮膚炎を発症しても、その後も繰り返すとは限らず、まだはっきりとした原因がわかっていない部分もあります。
線状皮膚炎をはじめとする皮膚症状に対してはステロイド外用薬を、かゆみに対しては抗ヒスタミン薬の内服を行いますが、非常に強い症状がみられる場合、短期間ステロイドの内服薬による治療を行います。
シイタケ皮膚炎を発症してしまった場合、数日以上症状が続くことも珍しくありませんので、シイタケはよく加熱して食べるようにしましょう。
ギンナン皮膚炎、シイタケ皮膚炎ともに、赤みやかゆみなど辛い症状が出てしまいます。
どちらもしっかり注意すれば予防が可能ですが、万が一皮膚のトラブルを生じてしまった場合は、速やかに皮膚科を受診するようにしてください。
ここまでお読みいただきありがとうございました。