帯状疱疹

帯状疱疹とは

帯状疱疹たいじょうほうしんとは、水痘・帯状疱疹ウイルスによる感染症です。

小児期に水痘に感染すると、その後ウイルスが体内の神経細胞(神経節)に潜伏し、疲労やストレス、免疫機能の低下などをきっかけに帯状疱疹として再度発症します。

このような発症様式を「回帰かいき感染」と呼びます。

帯状疱疹の症状

帯状疱疹の典型的な経過では、皮膚症状が出現する前に、体の一部分に片側性の痛みが生じます。

この痛みはウイルスが神経に感染することにより生じ、皮膚の違和感やしびれ程度から、ピリピリ、ズキズキといった痛みまでさまざまです。

その後、赤み(紅斑)や小さな水ぶくれ(小水疱)が同じ部位に帯状に生じます。

適切な治療により皮膚の症状は徐々に改善し、かさぶた(痂皮)になった後、2〜3週間ほどで治癒しますが、中には痛みが残存し、その後も通院が必要になることがあります(帯状疱疹後神経痛)。

帯状疱疹の治療

帯状疱疹に対しては、抗ウイルス薬による治療を行います。

一般的には以下のいずれかの薬剤を1週間内服することで治癒が期待できますが、皮疹が全身に広がっている(汎発性帯状疱疹)場合や、目や耳の神経症状を伴っている場合、発熱・頭痛がある場合など重症化が懸念される状態では入院の上で点滴治療が必要なことがあります。

また、初期の痛みにはアセトアミノフェンなどの鎮痛薬を併用して対応します。

スクロールできます
バルトレックス®ファムビル®アメナリーフ®
用法・用量1回1000mg
1日3回
1回500mg
1日3回
1回400mg
1日1回、食後
内服期間7日間7日間7日間
腎機能による
用量調節
不要
薬剤費*
(7日間・
3割負担)
約2,700円約3,660円約5,100円
帯状疱疹に対する抗ウイルス薬

(*2023年6月現在)

帯状疱疹と診断されたら

■安静を第一とし、激しい運動や飲酒は控えるようにしましょう。

■基本的に他人にうつることはありませんが、まだ水痘にかかっていない小さなお子さんでは水痘発症のリスクがありますので、可能な限り接触を避けてください。

■皮膚の症状に対して塗り薬が処方される場合がありますので、シャワーで洗浄後、塗り薬を使用し、ガーゼで覆うようにしてください。

■入浴(湯船に浸かる)は、医師から許可が出てからにしてください。

■学校や仕事に関する制限はありませんが、全身に皮疹が出ている場合は水痘と同じ扱い(空気感染)となり、出席・出勤停止となります。

帯状疱疹ワクチンについて

現在、50歳以上の方では帯状疱疹の発症や重症化を予防する目的で、ワクチンの接種が可能となっています。

詳細に関しては以下の記事をご覧ください。

また、帯状疱疹についても以下の記事で詳細に解説しています。