凍瘡(しもやけ)について【ご自宅での工夫・注意点と治療法】

目次

はじめに

1月も後半に入ってから、早朝や夕方はぐっと冷え込むようになってきました。

このような時期になると、手足や耳の凍瘡とうそう(しもやけ)に悩まされる方も多いのではないでしょうか。

しもやけの原因や治療、生活上の注意点などについて解説していきます。

凍瘡(しもやけ)の原因

しもやけは繰り返す寒冷刺激(寒い環境で過ごす、冷たいものに触れるなど)によって生じます。

皮膚が低温の状態にさらされると、皮膚の表面に近いところにある毛細血管が収縮します。

その影響でうっ血、すなわち静脈の血流が滞り、周囲で炎症が起こります。

この炎症が、しもやけの正体です。

しもやけは冷えやすい手足の先端や、耳介(耳たぶ)、頬によく生じ、特に学童を含む小児に多くみられます。

また、どちらかといえば1日中寒い日よりも、寒暖差が大きい(10℃以上)日に生じやすいとされています。

なお、しもやけと字面が似ている「凍傷とうしょう」はまったく異なる病気で、一般的には−12℃以下の気温で生じる皮膚組織の凍結を指します。

凍瘡(しもやけ)の症状

しもやけが皮膚に生じると、色の変化(赤〜ほぼ紫に近い色まで様々です)の他、皮膚の炎症を反映して痛みやかゆみを感じます。

実際に病院を受診される方も、皮膚の色調の変化に加えて痛み、かゆみが辛くなったからという理由で受診されることが多いようです。

しもやけは、症状の見た目から、指先や耳全体が赤紫色に腫れる「樽柿型(T型)」と、赤みがかった小さな盛り上がりが所々に見られる「多形紅斑型(M型)」に分けることができます。

前者は小児に、後者は成人に多いとされています。

なお、通常皮膚の表面に変化をきたすことはないのですが、特に症状が強い方では水ぶくれができたり、その後皮がむけてじゅくじゅくした傷(びらん、潰瘍)を呈する場合があります。

凍瘡(しもやけ)の治療

しもやけの治療の基本は、「手足や耳など、冷えやすい部位を保温する」ことです。

特に毎年しもやけに悩まされている方は、寒さを感じ始めたら早めに手袋や厚手の靴下、耳当てなどを使用することで予防効果も期待できます。

そのほか、血流を改善させる方法として、入浴時の患部のマッサージも有効です。

ただし、皮膚を熱いお湯で温めると血流が急激に回復し、痛みやかゆみが悪化することがあるため、適温(39〜40℃前後が良いとされています)のお湯を用いるようにしましょう。

その他、血流が悪くならないようにきつい靴を避けたり、水や汗で服(靴下、手袋などを含む)が濡れた場合、そのまま着ていると皮膚の表面から熱が奪われてしまうため、こまめに交換することなども重要です。

上記の工夫をしても改善しない場合は、皮膚科で以下のような治療を行います。

皮膚科の治療(1)外用薬(塗り薬)

しもやけの治療には一般的に塗り薬がよく用いられます。

血流を改善する目的でビタミンEを含む塗り薬(ユベラ®軟膏)や、ヒルドイドなどのヘパリン類似物質が処方されるほか、炎症を抑える目的でステロイドの塗り薬を使用する場合もあります。

ユベラ®軟膏は小児でも使用することが可能であり、1日1〜数回、適量を患部に塗布します。

皮膚科の治療(2)内服薬(飲み薬)

塗り薬だけでは症状が落ち着かない場合や、非常に強い痛み・かゆみがある場合は、飲み薬の治療が選択肢となります。

塗り薬と同様に、血流改善を目的としてビタミンEを含む飲み薬(ユベラ®錠など)を用いる他、漢方薬(当帰四逆加呉茱萸生姜湯、温経湯)、またかゆみに対して抗ヒスタミン薬が用いられる場合があります。

なお、ユベラ®錠と名前が似ているユベラN®錠・カプセルは、内容成分が異なり、一般的に凍瘡の治療には使用されません。

凍瘡(しもやけ)と似た皮膚症状を示す他の病気

冬以外の暖かい季節にもしもやけが出現したり、しもやけにできた傷がいつまでも治らない場合は、以下のような病気も考える必要があります。

末梢循環不全: 閉塞性動脈硬化症、糖尿病など

膠原病: SLE(全身性エリテマトーデス)、強皮症など

また、新型コロナウイルスが流行し始めた頃は、ウイルス感染時の皮膚症状としてしもやけの様な症状(凍瘡様皮疹)が出る(※)ことが話題となりました。

心配な症状があれば、ぜひ一度病院を受診しましょう。

※ただし最近の研究によれば、オミクロンなどの変異株では皮疹の頻度は少なくなっているようです。(Alessia Visconti et al. Br J Dermatol.  2022 Dec;187(6):900-908)

まとめ

しもやけの治療について表にまとめました。

ご自宅で・保温、寒冷刺激を避ける
・患部のマッサージ
・きつい靴を避ける
・濡れた衣服を交換する
塗り薬・ビタミンE配合外用薬
・ヘパリン類似物質
・ステロイド外用薬
飲み薬・ビタミンE配合内服薬
・漢方薬
・抗ヒスタミン薬
しもやけの主な治療

しもやけについては以上となります。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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