虫刺され

虫刺されとは

虫刺されとは蚊やブユ、アブ、ノミ、ハチなどの昆虫に刺されたり、噛まれたりすることによって生じる皮膚炎であり、医学用語では「虫刺症ちゅうししょう」と呼びます。

虫が持つ毒物や分泌物に対するアレルギー反応により、赤み(紅斑)やブツブツ(丘疹)、かゆみなどを生じます。

主な虫刺されの症状と治療

①蚊

蚊に刺された際の皮膚反応は蚊の唾液に対するアレルギー反応であり、①即時型反応: 刺されてすぐに生じるかゆみを伴う赤いふくらみ(膨疹)と、②遅延型反応: 翌日から出現するかゆみともなう赤み(紅斑)、ブツブツ(丘疹)に分かれます。

翌日以降の遅延型反応では、反応が強いと水ぶくれ(水疱)を形成することもあります。

一般的にお子さんでは遅延型反応が主体であることから、刺された直後には症状に気づきにくく、赤みやブツブツ、水ぶくれが後から生じるパターンが多いとされています。

蚊に刺された場合は、症状が軽い場合は何もせず様子を見ますが、皮膚の症状やかゆみが強い場合、ステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬の内服で対応します。

②ブユ

ブユの特徴として、①主に朝夕に刺されること(夜間は刺されない)、②刺された部位の皮膚が傷つくため出血点を生じる、といった点が挙げられます。

蚊と同じく、唾液に対するアレルギー反応によって赤みやかゆみなどの症状がみられます。

刺された直後〜半日程度はかゆみを伴う赤みが主体ですが、翌日以降は強い腫れ(腫脹)や赤いしこり(浸潤性紅斑)を生じ、重症になるとリンパ管炎やリンパ節の腫脹も見られます。

ブユに刺されたことが予想・診断できる場合は、一般に蚊よりも強い症状を呈するため、早期にステロイド外用薬を使用します。

腫れが強い場合はステロイドの内服(飲み薬)を併用する場合もありますが、刺された部位から二次的に細菌感染(蜂窩織炎)を生じている場合もあるため、鑑別が重要です。

予防としてブユの多い山間部などでは肌の露出を避ける、虫除け剤を活用するなどが挙げられます。

なお、虫除けの有効成分には主に以下の2つがあり、対象とする虫や、年齢によって使い分ける必要があります。

【参考: 虫除けの有効成分について】

有効成分ディートイカリジン
メリット様々な昆虫に対して効果を発揮小児や顔面でも使用可能
デメリット小児では使用制限あり
顔面には使用できない
対象はカ、ブユ、アブ、マダニのみ
虫除けの有効成分

具体的には、6ヶ月未満の乳児では、ディートは使用できません。

6ヶ月以上2歳未満では1日1回、2歳以上12歳未満は1〜3回までが使用の目安とされています。

また、ディートの配合濃度が30%の製品は、12歳未満は使用できません。

③ノミ

国内では約70種類のノミが知られていますが、近年はネコに寄生する「ネコノミ」による皮膚症状が主体です。

四肢(腕や足)、特に足を刺されることが多く、痒みの強い赤いブツブツやしこりが見られます。しばしば水ぶくれ(水疱)を形成することもあります。

症状が強い場合はステロイドの外用薬が有効ですが、ノミの駆除を行わないと症状が繰り返されるため、屋内であれば燻煙型の殺虫剤を、屋外であれば床下などに殺虫剤を置きます。

ペットに寄生している場合はノミ取りシャンプーもしくは首輪が有効です。

虫刺されの予防

実際に虫に刺されてしまった場合は、ステロイドの外用薬などを用いて治療しますが、以下のような点に注意することで、虫刺されのリスクを低減することが可能です。

■屋外での活動時には、長袖の服や長ズボンを着用し、皮膚の露出を避けるようにしましょう。

■顔や首、袖や裾周りなどもできる限り覆うようにしてください。

■虫除け剤のほか、必要に応じて蚊取り線香(有効成分: ピレトリン)などの使用を考慮しましょう。

■ハチに対しては虫除け剤は無効であり、ハチを刺激するような黒い服や帽子の着用、香水を避けることが有効です。