たむし(体部白癬/股部白癬)

たむし(体部白癬/股部白癬)とは

体部白癬/股部白癬は、体の皮膚に白癬はくせん菌という真菌(カビ)の一種が感染する疾患です。

前者を俗に「ぜにたむし」、後者を「いんきんたむし」と呼ぶこともあります。

たむし(体部白癬/股部白癬)の原因・症状

白癬菌はヒトからヒトへ直接もしくは間接的な接触(タオルやバスマットなど)で感染するほか、飼っているペットなどの動物から感染することもあります。

感染が成立すると、かさつき(鱗屑りんせつ)を伴う赤み(紅斑)が皮膚に出現し、徐々に拡大します。

このとき、紅斑の中心部は色が薄れたり、茶色になるなど一見治っているようにみえる(中心治癒傾向)のが白癬の1つの特徴です。

たむし(体部白癬/股部白癬)の診断

足白癬(水虫)など他の部位の真菌感染症と同様に、皮膚の一部をこすり取ってプレパラートに載せ、顕微鏡で観察することで菌の存在を確認します。

【体部白癬/股部白癬の相談で受診される患者さんへのお願い】

水虫やたむしの薬(抗真菌薬)を外用中は、例え本当に感染していても、顕微鏡の検査で菌が検出できなくなる場合があります。

確実に菌の有無を判定するために、1〜2週間、市販薬・処方薬に限らず抗真菌薬の外用を中止してからの受診をお勧めします。

また、特に股には白癬菌以外にもカンジダという別の真菌が増殖することがあり、これらの菌を顕微鏡で区別することは、適切な治療法を選択する上で重要です。

たむし(体部白癬/股部白癬)の治療

診断が確定したら、抗真菌薬の塗り薬(外用薬)で治療を行うのが一般的です。

1日1回の外用を継続することで、数ヶ月で治癒が望めます。

ただし塗り薬を使用しても難治である場合や、毛髪が生えている部位の感染では、抗真菌薬の内服薬(飲み薬)を選択することもあります。

この場合も、数ヶ月にわたり治療の継続が必要です。

たむし(体部白癬/股部白癬)と診断されたら

■処方された外用薬(塗り薬)は1日1回、入浴後に外用してください。

■塗り薬にかぶれることがありますので、使用中に赤みやかゆみを生じた場合、外用を中止して医師に相談してくだささい。

■特に股の周囲は蒸れやすく、真菌が増殖しやすい部位のため、清潔を心がけましょう。