脂肪腫

脂肪腫とは

脂肪腫とは、文字通り脂肪をかたちづくる「脂肪細胞」から成る良性腫瘍(できもの)で、幼少期に発生するとされていますが、ゆっくりと増大するため、実際に気づかれて受診されるのは30代以降の方が多くなっております。

発生部位としては、主に背部や頸部(首)、腕やおしりなどによくみられますが、中には顔面や頭部に生じる例もあります。

大きさも、数mm大の小さなものから、直径が10cm以上に及ぶものまで様々です。

脂肪腫の症状

脂肪腫は、皮膚の下の柔らかいしこりとして自覚されることが多く、通常痛みはありません。

表面の皮膚はドーム状に盛り上がりますが、背部など圧迫されやすい部位では、それほど盛り上がりが目立たないこともあります。

脂肪腫の診断

脂肪腫の診断は、皮膚科専門医であれば通常肉眼的に(視診、触診)可能ですが、悪性が疑われる場合や、筋層内など深い部位に腫瘍ができていることが予想される場合では、超音波エコー検査やMRI検査などの画像検査を必要とします。

一般的には、直径5cmを超える場合、画像検査を行うことが望ましいとされています。

脂肪腫の治療

脂肪腫に対する治療は、手術による摘出です。

皮膚に関連する他の良性腫瘍とは異なり、脂肪腫は皮膚とは連続していないため、皮膚の切開は最小限(直線状の切開線)で済むことが多いものの、大きなものや、周囲の組織との癒着が激しいものでは、皮膚の一部を同時に切り取ることもあります。

また、小さなものでは局所麻酔で日帰り手術が可能ですが、大きなものや、筋層内に入り込んでいるものでは、全身麻酔の手術が必要であったり、術後にドレーンと呼ばれる管を皮下に挿入するため、数日〜1週間の入院が必要となります。

当院の院長は大学病院時代に多くの脂肪腫の手術に携わりましたが、一般的に、手拳大(握りこぶしの大きさ)を超えるものに関しては、全身麻酔や入院の適応についてお話ししていました。

術後はおおよそ1〜2週間で抜糸となります。

最後に

当院では脂肪腫をはじめとする皮膚腫瘍の日帰り手術に対応しています。

部位や大きさによっては大学病院をはじめとする連携医療機関へのご紹介となりますので、ぜひ一度ご相談ください。