さいたま市浦和区高砂1-16-12【地図へ】
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ニキビが発生する要因として、主に①皮脂の分泌増加、②毛穴の詰まり、③ニキビ菌(アクネ菌)の増殖が挙げられます。
毛穴からの皮脂の分泌には性ホルモンが関与しており、思春期や生理周期などによって性ホルモンの分泌が増加したり、ストレスなどで性ホルモンのバランスが崩れると、毛穴にある皮脂腺が発達し、過剰な皮脂の分泌につながります。
肌には一定の期間で常に新しく生まれ変わる仕組みがあり(ターンオーバー)、このサイクルが乱れると古い角質が剥がれ落ちずに毛穴を塞いでしまいます。
角質の他、過剰に分泌された皮脂や、落としきれていないメイク汚れなどによって毛穴が詰まると、毛穴の中がニキビ菌にとって増殖しやすい環境となっていきます。
ニキビ菌は学名でCutibacterium acnes(以前はPropionibacterium acnesと呼ばれていましたが、2016年に呼称が変更されました)と呼ばれ、これが「アクネ菌」の名前の由来となっています。
ニキビ菌は普段から皮膚に存在している常在菌の1つですが、毛穴が詰まることによって増殖し、ニキビの炎症の元となります。
このように、肌の環境の悪化とニキビ菌の両方が関与しているニキビですが、炎症の有無によって大きく以下の2種類に分けることができます。
角質や皮脂によって毛穴が詰まった状態であり、医学用語で「面皰」と呼ばれます。
この状態を放置すると、徐々にニキビ菌が増殖し、炎症を生じる原因となるため、早期の対処が重要です。
面皰のほとんどは「白ニキビ」ですが、中には詰まった皮脂が酸化したり、メラニン色素によって黒く見える「黒ニキビ」も存在します。
ニキビ菌が毛穴の中で増殖し、炎症を生じた状態です。痛みや腫れを伴い、「赤ニキビ」の炎症がさらに激しくなると、黄色い膿を伴った「黄ニキビ」となります。
炎症が重症化し長引くと、色素沈着や赤み、凹みなどの「ニキビ痕」の原因となるため、炎症が悪化しないように治療することが重要です。
ニキビの治療は、①主に白ニキビや黒ニキビの改善を目的とした、毛穴の詰まりを改善(ピーリング作用)させる薬剤と、②ニキビ菌の殺菌による炎症の改善を目的とした、抗菌作用をもつ薬剤を組み合わせて行うことが一般的です。
下記に示した外用薬(塗り薬)以外にも、内服(飲み薬)の抗生物質や漢方薬、ビタミン剤などが処方されることがあります。
薬剤名 | 作用 | 効果が期待できるニキビ |
---|---|---|
べピオ® (過酸化ベンゾイル) | 毛穴の 詰まり改善 ニキビ菌の 殺菌 | 白ニキビ 黒ニキビ 赤ニキビ |
ディフェリン® (アダパレン) | 毛穴の 詰まり改善 | 白ニキビ 黒ニキビ 赤ニキビ |
エピデュオ® (過酸化ベンゾイル+アダパレン) | 毛穴の 詰まり改善 ニキビ菌の 殺菌 | 白ニキビ 黒ニキビ 赤ニキビ |
デュアック® (過酸化ベンゾイル+) | 毛穴の 詰まり改善 ニキビ菌の 殺菌 | 白ニキビ 黒ニキビ 赤ニキビ 黄ニキビ |
ダラシン® (クリンダマイシン) | ニキビ菌の 殺菌 | 赤ニキビ 黄ニキビ |
ゼビアックス® (オゼノキサシン) | ニキビ菌の 殺菌 | 赤ニキビ 黄ニキビ |
アクアチム® (ナジフロキサシン) | ニキビ菌の 殺菌 | 赤ニキビ 黄ニキビ |
ニキビの治療薬については、以下のブログにも記載しています。
洗顔は朝と夜の1日2回が基本です。擦りすぎたり、頻繁な洗顔は肌を傷つけて必要な水分や脂分まで奪ってしまうため、刺激の少ない洗顔料を泡立てて、優しく包み込むように洗いましょう。
また、べピオ®やディフェリン®などの外用薬は通常夜の洗顔後に使用しますが、乾燥した肌にそのまま塗るとひりつきや赤みが生じやすくなるため、しっかりと保湿をしてから使用するようにしてください。
洗顔する際に、ニキビをむやみに触らない・つぶさないことも重要です。
落としきれていないメイクによって毛穴が詰まると、ニキビ悪化の原因となります。
帰宅したらなるべく時間をおかずに、丁寧にメイクを落とすようにしましょう。
特に小鼻や髪の生え際、フェイスラインに洗い残しがないように注意してください。
また、ウォータープルーフのメイクは通常のメイクよりも落ちにくいものが多いため、専用のクレンジング剤を使用したり、ニキビを悪化させにくい「ノンコメドジェニックテスト済み」の製品を選ぶなどの工夫も大切です。
メイクと同様、「ノンコメドジェニックテスト済み」の製品がおすすめです。
特にピーリング系のニキビ治療薬を使用中は肌が敏感になりますので、日焼け止めの刺激が気になる方は「紫外線吸収剤フリー(無配合)」「ノンケミカル」などの表示がある、低刺激の製品を選ぶことも考慮しましょう。
以下の記事では紫外線吸収剤などについても解説しています。
肌の乾燥はターンオーバーの乱れにもつながるため、秋から冬にかけての乾燥する時期のみならず、1年を通して保湿ケアは重要です。
洗顔後に化粧水を肌に馴染ませ、その後乳液や美容液、保湿剤などを手のひらで優しく重ね付けしましょう。
ニキビ治療薬を併用する場合は、洗顔後、医師の指示通りに外用してください。
ニキビは慢性的に繰り返しやすい疾患であり、放置すると徐々に肌にダメージが蓄積し、毛穴の開きやニキビ痕につながっています。
「ニキビかな?」と思った際には、ぜひ一度皮膚科を受診し、早めの対策をとるようにしましょう。
また、特に思春期は長期にわたって皮脂の分泌が多くなるため、根気良く治療することも必要です。
当院ではニキビに対して保険での治療を優先していますが、保険診療の薬剤がお肌に合わない方や、治療効果が乏しい重症のニキビについては、自費診療の選択肢もご提案可能です。
ニキビでお悩みの方はぜひご相談ください。