イソトレチノイン

イソトレチノインとは

イソトレチノインとは、ビタミンA誘導体の内服薬(飲み薬)で、重症のニキビ・酒さに対する治療薬の1つです。

米国では1980年代から保険適用となっていますが、日本では保険適用がなく、また国内で販売もされていないため、一部の医療機関でのみ処方が可能です。

イソトレチノインの適応

ニキビ

イソトレチノインには皮脂腺の縮小作用、角化の正常化、抗炎症作用などがあり、ニキビが広範囲に広がっている、しこりのようにデコボコとしたニキビができる、他のニキビ治療薬で改善が乏しいといった、比較的重症のニキビに対しても効果が期待できます。

また、イソトレチノインがもつ作用によって、皮脂の過剰分泌による毛穴の開きや、角栓による毛穴の黒ずみも改善できる場合があります。

酒さ

顔に慢性的に赤み、ぶつぶつが出現し、繰り返す「酒さ」の症状に対しては、現在メトロニダゾールの外用薬(塗り薬)が保険適用となっており、特にぶつぶつとした症状(丘疹きゅうしん膿疱のうほう)に推奨されています。

メトロニダゾールの他に、アゼライン酸やイベルメクチンといった成分も酒さの治療薬(保険適用外)として使用されていますが、これらの薬剤で治療効果が乏しい、もしくは肌に合わないという方では、イソトレチノインによる治療を考慮します。

イソトレチノインの使用方法

イソトレチノインは通常、1日1回内服する薬剤です。

初期量は20mg/日から開始することが多いものの、効果を感じない場合は40mg/日への増量を検討します。

治療効果は早ければ内服開始後1〜2ヶ月で実感できますが、最低4ヶ月は継続して内服することが一般的です。

ニキビができない状態になってから更に2ヶ月程度内服を継続し、治療を終了とすることで、終了後のニキビの再発を抑制する効果も期待できます。

妊娠中・授乳中の方は使用できません。

料金についてはこちらをご覧ください。

イソトレチノインの副作用

イソトレチノインの副作用として、主に唇や肌(特に指先など)の乾燥や頭痛が挙げられます。

その他、肝機能・脂質異常や関節痛・骨痛、脱毛、うつ症状などが報告されており、催奇形性もあるため女性の場合は内服中と内服終了後も1ヶ月は避妊が必要となります。

内服開始前・開始後の血液検査について

イソトレチノイン内服によって肝機能や脂質関連の異常を認める場合があるため、内服開始前と、内服開始後(あるいは内服中に増量した後)1ヶ月の時点で血液検査を行ないます。普段の健診等で異常を指摘されていない場合は、内服前の血液検査をスキップすることがあります。

注意事項
■未承認医薬品等
イソトレチノインは、医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認薬です。
■入手経度等
当院では医師の判断の下、個人輸入で購入しています。医学的知見のない個人輸入は禁止されています。個人輸入された医薬品等の使用リスクに関する情報はこちらをご覧ください。
■国内の承認医薬品の有無
イソトレチノインは、国内においては承認されていません。
■諸外国における安全性などに係る情報
イソトレチノインは、米国のFDA(アメリカ食品医薬品局)をはじめ、諸外国で承認されております。