【ニキビ・酒さ】アゼライン酸について【皮膚科専門医が解説】

目次

はじめに: アゼライン酸とは

今回はニキビや酒さの治療に用いられる「アゼライン酸」についての解説です。

アゼライン酸は、英語ではAzelaic acidと呼ばれ、元々は大麦や小麦などに含まれる天然の酸です。

海外では医薬品として処方されますが、日本国内では未承認のため、自費診療での取り扱いとなります。

アゼライン酸の効果

アゼライン酸は主に以下のような疾患・皮膚症状に対して効果が期待できる成分です。

①ニキビに対して

アゼライン酸には、角化の異常を抑制する作用のほか、抗菌作用、皮脂分泌抑制作用、抗炎症作用などがあり、海外のガイドラインにおいては面皰(めんぽう)や中程度の炎症性皮疹への外用が推奨されています1)

そのため、例えばニキビに対する保険診療の薬剤がお肌に合わなかったり、効果を実感できない場合に、試す価値のある成分であるといえます。

また、保険診療の薬剤の中には妊娠・授乳中は使用できないものが含まれますが、アゼライン酸は妊娠・授乳中も安全に使用できると考えられており、特に女性にとって使用しやすい成分であることもメリットです。

1) A Nast et al. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2016 Aug; 30(8): 1261–1268.

②酒さに対して

上記のように皮脂分泌抑制作用や抗炎症作用を有するアゼライン酸は、酒さの治療においても注目されており、海外のガイドライン・レビューにおいてはメトロニダゾール外用の代替品として、より効果的である可能性が指摘されています2)

国内では2022年にメトロニダゾールの外用薬(塗り薬)が酒さに対して保険適応となり、当院でも処方可能ですが、メトロニダゾールがお肌に合わない、効果が実感できないという場合の代替品として、アゼライン酸は1つの選択肢になり得ると考えられます。

2) van Zuuren EJ et al. Cochrane Database of Systematic Reviews 2015; Issue 4.

③肝斑・色素沈着に対して

実はあまり知られていないのですが、アゼライン酸には色素沈着に対する効果もあるとされています。

例えば米国皮膚科学会ではニキビの炎症後の色素異常に対してアゼライン酸が推奨されているほか、肝斑に対しては4%のハイドロキノン外用と同等の効果を示したという報告3)も存在します。そのため、色素沈着や肝斑の治療としてのハイドロキノンがお肌に合わない方や、+αの治療を希望される方では、アゼライン酸の使用・併用も相談可能です。

3) Jutley GS et al. J Am Acad Dermatol. 2014; 70(2): 369-373.

注意点

アゼライン酸は天然由来の成分ではあるものの、お肌への外用により刺激、赤みやほてりなどを感じることがあります。

通常、回数や間隔を調整することで使用の継続は可能ですが、強い症状を認めた場合には中止し、医師に相談するようにしてください。

最後に

当院ではアゼライン酸を含む製品を取り扱っておりますので、ニキビや酒さにお困りの方はぜひ一度ご相談ください。

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