ハイドロキノン(HQ)、トレチノイン(TR)

ハイドロキノン(HQ)・トレチノイン(TR)について

ハイドロキノン(hydroquinone: HQ)とトレチノイン(tretinoin: TR)は、ともにシミや肝斑、色素沈着などに対して、美容皮膚科領域で広く利用されている成分です。

ハイドロキノンはメラニン産生に関わる酵素であるチロシナーゼの阻害作用や、メラニン産生細胞(メラノサイト)に対する細胞毒性を通じて、シミやくすみの減少効果を発揮します。

トレチノインは、ビタミンA誘導体の一種であり、表皮のターンオーバーを促進させることで、すでにできてしまったメラニン色素の排出を促す作用があります。

それぞれ作用機序が異なるため、2種類の薬剤を適切に併用することで相乗効果が期待できます。

適応となる疾患

ハイドロキノン、トレチノインはともに、日光黒子(紫外線による一般的なシミ)のほか、ニキビ跡や虫刺され、レーザー治療後の色素沈着、肝斑といった、「皮膚の浅い部分(表皮)にあるシミ、くすみ」に適応があります。

一方で、太田母斑やADM(後天性真皮メラノサイトーシス)といった、比較的深い部分(真皮)にあるシミやあざに対しては効果が期待できません。これらの疾患については、Qスイッチルビーレーザー、ピコレーザーといった、レーザー治療が適応となります。

当院では初回受診時に皮膚科専門医がカウンセリングさせていただき、適切な治療がご案内できるように努めています。(※別途、カウンセリング料が発生します)

使用方法

当院で処方しているハイドロキノン、トレチノインは冷蔵保管の上、1日1回、洗顔・スキンケア後にシミやくすみが気になる部分に外用してください。

ハイドロキノンとトレチノインと併用する場合は、表皮のターンオーバーを促進するトレチノインを先に使用することで、ハイドロキノンがよく浸透し、併用の効果が高まるとされているため、①化粧水・乳液、②トレチノイン、③ハイドロキノンの順番で外用してください(ただし、逆に塗ったとしても問題はありません)。

副作用・注意点

ハイドロキノン、トレチノインともに、使用開始直後に赤みやかゆみ、刺激感を生じることがあります。そのため、最初のうちは少量・狭い範囲から、またトレチノインを使用する場合は低濃度の製剤から外用するようにしてください。

一定の割合でかぶれてしまう(接触皮膚炎)ことがあり、この場合には治療を継続することができませんので、使用を中止した上で、医師にご相談ください。

また、薬剤の使用中は肌が敏感になっているため、日中の紫外線対策は特に念入りに行うようにしてください。

どちらの薬剤も、妊娠中・授乳中は使用できません。



注意事項
■未承認医薬品等
ハイドロキノン、トレチノインは、医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認薬です。
■入手経路等
当院では医師の判断の下、国内の医薬品卸業者より購入しています。
■国内の承認医薬品の有無
ハイドロキノン、トレチノインは、国内においては承認されていません。
■諸外国における安全性などに係る情報
ハイドロキノン、トレチノインは、米国のFDA(アメリカ食品医薬品局)をはじめ、諸外国で承認されております。