さいたま市浦和区高砂1-16-12【地図へ】
JR浦和駅直結・アトレ浦和West Area4階
TEL: 048-883-4112
尖圭コンジローマは、主に性器や肛門周囲に生じるヒトパピローマウイルス(human papilloma virus: HPV)6型ないし11型の感染症です。
【参考: 主なHPVのタイプと疾患の関係】
HPV 2/27/57型 | 尋常性疣贅(石いぼ) |
HPV 3/10型 | 扁平疣贅 |
HPV 6/11型 | 尖圭コンジローマ |
HPV 16/18型 | 子宮頸がん |
HPV 57/60型 | 足底嚢腫 |
尖圭コンジローマは主に性行為で感染する、性感染症(sexually transmitted diseases: STD)の一種です。
そのため、男女を問わず発症し、発症年齢のピークは10代後半〜30代となっています。
ごくまれですが、性行為以外にも接触感染でうつったり、感染経路の特定が困難な場合もあります。
尖圭コンジローマに感染すると、2〜3か月の潜伏期(明らかな症状が現れない時期)を経て、性器や肛門の周囲に細かいブツブツが出現し、ときに「鶏冠状」「カリフラワー様」と称されるような大きく隆起した状態となります。
通常自覚症状はありませんが、尖圭コンジローマの病変の大きさや、できる部位によってはかゆみや痛みを生じることがあります。
治療せずに放置していると、最初に感染した部位の周囲に次々と広がることもあるため、早期発見・治療が重要です。
出現している部位や皮膚症状から一般的には肉眼的に(見た目で)診断可能ですが、似たような見た目を呈する他の疾患や、生理的な(病気ではない)皮膚のできものと区別がつかない場合は、皮膚生検(組織検査)による確定診断を行う場合もあります。
尖圭コンジローマの治療は、主に①液体窒素療法、②外用療法(イミキモドクリーム)、③手術(切除、CO2レーザー等による蒸散術)の3つです。
以下にそれぞれの特徴を示します。
もっとも一般的な治療法であり、ほとんどの皮膚科クリニックで実施可能です。
通常は複数回の通院が必要で、おおよそ1〜2週間に1回のペースで治療を行います。
ベセルナ®(一般名: イミキモド)クリームは、皮膚の中にいる免疫関連細胞を刺激し、炎症を起こす作用のある外用薬(塗り薬)です。
尖圭コンジローマの原因となるHPVの増殖を抑え、さらにはHPVが感染している細胞を攻撃することで、効果を発揮すると考えられています。
使用方法は尖圭コンジローマがある部位(適応は外性器と肛門周囲の病変に限られます)に適量を1日1回、週3回、就寝前に塗布します。
治療期間は原則として16週間までとなっています。
ベセルナ®クリーム外用中は皮膚に炎症を生じやすく、薬剤を塗った部位に赤みやただれ、痛みが出現することがあります。
強いかゆみや痛みを自覚した際は、使用の中止・中断も含めて主治医に相談しましょう。
尖圭コンジローマに対して、手術やCO2レーザーによる蒸散、電気メスでの焼灼などを行う場合があります。
巨大なもの、多発しているものを除き、一般的には局所麻酔・日帰りでの治療が可能です。
1回で治療が終了することがメリットですが、再発する可能性もあるため、手術後も経過を確認していく必要があります。
外科的治療を行う場合、当院では基本的に連携医療機関への紹介となります。
【尖圭コンジローマの治療について】
液体窒素療法 | 外用薬 (ベセルナ®クリーム) | 手術 | |
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メリット① | ほとんどの 皮膚科で 実施可能 | 自宅で 治療可能 | 小さいものであれば 1回で治療が終了 |
メリット② | 1回の治療は 短時間で終了 | 組織検査で 確定診断が 可能 | |
デメリット① | 複数回の 通院が必要 | 赤みやびらん 痛みなどが 生じやすい | 大きさ・部位に よっては 入院が必要 |
デメリット② | 治療後に 痛みや水ぶくれが 生じることあり | 術後出血・ 再発などの リスクあり |