さいたま市浦和区高砂1-16-12【地図へ】
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乳児湿疹とは、乳児の顔や体にできる赤み(紅斑)やブツブツ(丘疹)といった肌荒れ、すなわち湿疹病変の総称です。
この中には乾燥に伴う湿疹や、脂漏性皮膚炎のほか、アトピー性皮膚炎の初期症状も含まれるため、皮膚科医の診断のもと、それぞれのお子さんに合った適切な治療を行うことが望まれます。
生まれてから間もないお子さんの皮膚は大人と比べて角層が薄く、非常にデリケートな状態です。
乾燥により皮膚のバリア機能が低下し、さまざまな刺激によって湿疹を生じやすくなりますので、普段からしっかりと保湿によるスキンケアを行うようにしましょう。
保湿剤は一般的にローションタイプがサラッとしていて塗りやすいですが、特に乾燥が悪化する冬の時期は、しっとりとしたクリームタイプもおすすめです。
塗る際にはゴシゴシとこすらず、指の腹や手のひらを使って優しくのばすことを心がけてください。
なお、症状や部位によってはワセリン(プロペト)などの軟膏タイプの保湿剤が処方されることもあります。
乳児脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が盛んになる生後2ヶ月頃までに、主にお子さんの頭皮や顔にみられる湿疹です。
主な症状は頭皮やおでこ、耳などのかさつき(フケ)であり、成長とともに皮脂の分泌が落ち着くことで改善が見込めますが、フケが固まってかさぶたのようになってしまったり、湿疹が悪化して赤み(紅斑)やブツブツ(丘疹)がみられる場合には積極的な治療を検討します。
かさぶたのようになったフケは、無理にこすらず、石鹸やシャンプーを泡立てて優しく洗い流してください。
皮膚にフケがしっかりとついてしまっている場合は、ワセリンや親水クリーム、オリーブオイルなどで柔らかくしてから洗うと効果的です。
入浴後の水気も、タオルでゴシゴシとこするのではなく、優しくおさえるようにして拭き取るのが良いでしょう。
湿疹が悪化した場合は、短期的にステロイド外用薬などを使用しますが、それぞれのお子さんの皮膚の状態に合った薬剤を選択する必要がありますので、お困りの際はぜひ皮膚科にご相談ください。
アトピー皮膚炎とは、かゆみを伴い慢性的に経過する皮膚炎(湿疹)であり、その目安は「乳児では2ヶ月以上、その他では6ヶ月以上」とされています。
ただし、乾燥や皮脂の過剰分泌による湿疹も、2ヶ月以上続くことは珍しくありません。
そのため、アトピー性皮膚炎の診断には、その他にも特徴的な皮膚症状(乳児の場合、左右対称性の湿疹が頭、顔にはじまりしばしば体幹、四肢に下降)や、家族歴(ご家族の中にアトピー性皮膚炎と診断されている方がいるか)、既往歴(気管支喘息やアレルギー性鼻炎など、他のアレルギー性疾患の合併があるか)なども参考にします。
アトピー性皮膚炎のお子さんの場合、皮膚の乾燥が湿疹などのトラブルにつながりやすいため、毎日保湿を行うことが推奨されます。
また、湿疹が悪化した際には必要に応じてステロイド外用薬を用いますが、最終的には、ステロイド以外の薬剤も含めた適切な治療を行い、寛解(症状がない、もしくは症状があっても軽微で、かつ日常生活に支障がない状態)を目指すことが重要です。