さいたま市浦和区高砂1-16-12【地図へ】
JR浦和駅直結・アトレ浦和West Area4階
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蜂窩織炎は、蜂巣炎とも呼ばれ、主に黄色ブドウ球菌や溶連菌といった細菌による真皮深層から皮下組織にかけての感染症です。
これらの細菌は普段から皮膚の上に生息しているいわゆる「常在菌」ですが、微小な外傷や足白癬による皮むけ、糖尿病性をはじめとする足潰瘍などから侵入することによって感染が成立します。
また、まれに毛包炎(毛穴の細菌感染症)が進展・重症化して蜂窩織炎を発症する場合もあります。
蜂窩織炎にかかると、四肢(特に下肢/足に好発します)や顔面に赤み(紅斑)や熱感、痛みが出現します。
皮膚の炎症を反映して、むくみ(浮腫)を生じることもあります。
皮膚以外の症状としては、発熱や悪寒やリンパ節の腫大・圧痛などを認める場合もあります。
蜂窩織炎の診断は、主に上記のような症状を参考に、肉眼的に行われますが、他の疾患が疑われる場合や、治療方針の決定のために必要な際には、血液検査や細菌培養検査を行います。
血液検査 | ■白血球やCRPなどの炎症反応の上昇がみられる ■これらの値は治療により徐々に低下がみられる |
細菌培養検査 | ■排膿している場合は、膿の培養を採取する ■皮膚表面の擦過(スワブ)での培養は、感染の有無とは関係なく常在菌が検出されるため推奨されない ■血液培養の検出率は低い |
蜂窩織炎は細菌による感染症であり、治療には抗菌薬(抗生物質)の内服を行います。
重症の場合や、感染症により食事摂取が困難な場合などは、入院の上、点滴加療による治療を考慮します。
皮膚の下に膿が溜まっている(膿瘍形成)場合は、切開排膿を検討します。
■抗菌薬の内服・点滴と同様に、特に四肢の場合は安静・挙上が推奨されます。
■傷口から感染している場合は、洗浄を行い、可能な限り清潔を保つようにしてください。
■外用薬が処方されている場合は、指示通り使用してください。
■痛みや腫れが強い場合、炎症を鎮めるために水枕・氷枕で冷却することも有効です。